萌尽狼グ

音系同人サークルASIA LUNAR・kaguyadepth代表、萌尽狼(もえつきろ)の個人ブログ

『換装少女』の世界観について(独自解釈を含む)

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昨年12月16日から順次発売された、バンダイの新しいメカ少女フィギュア『換装少女』。
実際に全国のガシャポンに入荷するようになってから約1ヶ月が経過し、開発スタッフいわく売れ行きは好調とのことですが、ネット上での話題性が薄くなってきたので、ここらでひとつファンサイドから援護射撃をしたいところであります。
私が今『換装少女』の虜になっているのは、フィギュアだけでなく世界観にも想像を広げる余地が残されており、それらを解き明かしつつ思い描いたビジョンを写真や音楽といった表現方法でカタチにしていくのが楽しくてしょうがないからです。
今回はここ3週間ずっとモヤモヤしていた『換装少女』の世界観について、改めてまとめ直しました。

①公式設定

まずは『換装少女』公式サイトからストーリー・キャラクター設定を引用して世界観を把握しよう。

STORY

かつて48番目の都道府県として期待されていた人工島がある。
開発途中とみえる建物もあれば、
増築に増築を重ねた異様な建造物もそびえ立つ。
はては九龍城か軍艦島の様相だが、所々の建物は古びた様子はなく、
清掃や管理の行き届いている箇所も見受けられる。
広く開墾されたエリアでは、植物を栽培している畑もある。
だが、人の営みらしき痕跡は一切見当たらない――


そんなアンバランスな景観の中、黙々と都市開発を続けるメカと人影があった。
その昔、この島の開発が着工してしばらくは大変なニュースになった。
人工島を舞台にした人工知能による都市開発の運用試験開始――
AIはどんな町をつくるのか?
最優先の命令(コマンド)は、できるだけ低コストに、
人にとって住みよい町を作ること。
大地に蒔く種のように、コンパクトにまとめた設備一式を投入するだけで、
どんな新天地も人の住める環境に開発するシステム。
導入されたのは、同じく当時話題となった産業開発メカ、
通称、換装少女と換装重機であった。


プロジェクト開始からどれくらい経ったろうか。
換装少女と換装重機たちは今日も、町を破壊しようと迫る
謎の破壊兵器から街を守りながら、いつか自分たちの作り上げた町に
たくさんの人が移住してくると信じ都市開発を進めている。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

換装重機とは――

人工知能がバイオテクノロジーと融合して生み出した産業開発重機群。
開発予定地に土と水と太陽光さえあれば発電植物を栽培可能なため、
半永久的に稼働できる。
発電植物は枯れてしまっても土中微生物に分解され、
超高サイクルでのオイル資源となる。
これにより資源のない土地でも重機の量産が可能となっている。
状況に合わせてその場で生産したパーツと換装可能なため、
換装重機と呼ばれるようになった。
プラントベンダーからカプセル形式で出力される。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

換装少女とは――

人が移住することを想定しての都市開発であるため、
設計基準として導入されたヒューマンスケールユニットの通称。
換装重機と同じく超高サイクルオイル資源によりパーツの生成が安価であり、
不具合があっても容易に換装できる。
換装重機の頭部AIユニットは量産しにくいため、
必要があれば換装少女が換装重機を装備して作業にあたる

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

UG-01 アロン

最初に出力された換装少女。
使命感が強めに設定されており、人のための都市開発に意欲的。
誰に何を言われても、コツコツレンガブロックを積んでいくタイプ。
オフラインになってから長いため、人の生活習慣などの認識にズレが生じている。
例えば、服を脱いで入る銭湯の隣には、
湯上がりに服を買うためのブティックが必要だと考えていたりする。


「あっちに商業施設を作りましょう。
……いっぱい人が来ますように」

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

UG-02 ベル

二番目に出力された換装少女。
独特なセンスを持ち、
アート的な建造物や娯楽施設を建設する傾向がある。
ショベルで畑を耕すのは気持ちいいらしい。


「ちまちまと修すのは性にあわないな。
いっそ、ばーっと平らにして畑にしちゃわない?」

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

※「修す」は「直す(修理する)」の誤りと思われる。
本来の「修す」は読み方によって3通りの意味がある古文単語。

  1. 「しゅう・す」学問・技術などを身につける。
  2. 「しゅ・す」おさめる。修練する。
  3. 「ず・す」修行する。

UGー03 チャコ

三番目に出力された換装少女。
オシャレなブティックや飲食店を建設したがる。
綺麗好きで戦闘は汚れるのでしたくない。
ドリルで温泉を掘り当てるのが当面の野望。


「雨上がりは泥がはねるから嫌だってば!
だれも見てないんだし、たまにはお休みでいいじゃない」

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/




②用語解説

ここからは独自解釈を交えつつ、公式ストーリー・キャラクター設定の中に出てきた専門用語をまとめる。

人工島

かつて48番目の都道府県として期待されていた人工島がある。
その昔、この島の開発が着工してしばらくは大変なニュースになった。
人工島を舞台にした人工知能による都市開発の運用試験開始――

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

無人の人工島で、場所や大きさは不明。着工からかなりの年月が経っている模様。

換装重機

人工知能がバイオテクノロジーと融合して生み出した産業開発重機群。
状況に合わせてその場で生産したパーツと換装可能なため、
換装重機と呼ばれるようになった。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

バイオテクノロジーとは、後述する発電植物および超高サイクルオイル資源を指す。
電動で樹脂製の重機である。つまり金属に見えているパーツもすべて樹脂製と考えるのが妥当だ。
換装重機は現時点でコミットボンド、コミットショベル、コミットドリルの3種類だが、今後増えるものと思われる。
この3種類のAIにどのような性格付けがなされているかは不明。

換装少女

人が移住することを想定しての都市開発であるため、
設計基準として導入されたヒューマンスケールユニットの通称。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

なぜ基準となるべきヒューマンタイプが男性型でないのかは不明。
またバリアフリーなど、高齢者や身体障害者に寄り添った町づくりが、換装少女を基準に行えるのかも未知数だ。

換装重機と同じく超高サイクルオイル資源によりパーツの生成が安価であり、
不具合があっても容易に換装できる。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

ここでいう不具合とは単なる故障だけでなく、バストサイズなども含まれるのだろう。

最優先の命令(コマンド)は、できるだけ低コストに、
人にとって住みよい町を作ること。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

とあるので、コストを度外視して理想の体を手に入れるということはないと思うのだが…

発電植物

広く開墾されたエリアでは、植物を栽培している畑もある。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

開発予定地に土と水と太陽光さえあれば発電植物を栽培可能なため、
半永久的に稼働できる。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

光合成バイオマス発電を一緒くたにしたような、植物を育てれば電力が得られるという、大変画期的なご都合主義設定である。
この植物から得られる電力で換装少女と換装重機は動くことができるわけで、発電植物は常に人工島のどこかで栽培され続けていなければならないことになる。

超高サイクルオイル資源

発電植物は枯れてしまっても土中微生物に分解され、
超高サイクルでのオイル資源となる。
これにより資源のない土地でも重機の量産が可能となっている。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

石油は約2億年から6千万年前の地層から産出されているそうだ。
超高サイクルがどのくらいの期間を示すものなのかは不明だが、半年から1年くらいの極めて短期間でオイル資源化するという、これまたご都合主義的な設定であると思われる。
むしろ発電植物を分解してオイル資源化する土中微生物の方が重要なのではないだろうか。

プラントベンダー

大地に蒔く種のように、コンパクトにまとめた設備一式を投入するだけで、
どんな新天地も人の住める環境に開発するシステム。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

状況に合わせてその場で生産したパーツと換装可能なため、
換装重機と呼ばれるようになった。
プラントベンダーからカプセル形式で出力される。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

換装重機と同じく超高サイクルオイル資源によりパーツの生成が安価であり、
不具合があっても容易に換装できる。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

人工島に最初に投入された都市開発システムの中枢をなすもので、発電植物から生成した電気と、超高サイクルオイル資源から生成した樹脂で、換装少女と換装重機のパーツを3Dプリンタのように出力するプラント(生産設備)であるようだ。
「ベンダーからカプセル形式で出力される」ことから、カプセルステーション(ガシャポンのベンダー機)のような形をしているものと推測される。
筆者はカプセルステーション1/2を所有しているが、被写体としては大きすぎるため、セリアの手芸コーナーで売ってるベンダー機のミニチュアで代用したいと考えている(食玩のガム自販機のミニチュアでもよい)。
そういえば昔ミニミニカードダスとかあったなあ…

AIユニット

換装重機の頭部AIユニットは量産しにくいため、
必要があれば換装少女が換装重機を装備して作業にあたる

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

換装少女と換装重機の頭部は同等であるらしく、Zザクのような形態(その逆で修理中のメカ少女にありがちなガンタンク状態)も可能であると推測される。
ただし、換装少女の頭部は凹ジョイント、換装重機の頭部は凸ジョイントであるため、別途変換パーツを用意しなければZザク形態にはできない。
Twitter上では換装重機に換装少女の頭部を付けたものは少数あるものの、Zザクは見受けられない。

最優先の命令(コマンド)は、できるだけ低コストに、
人にとって住みよい町を作ること。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

オフラインになってから長いため、人の生活習慣などの認識にズレが生じている。

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/character/

AIは「人が移住することを想定しての都市開発」を前提に、ビッグデータ分析によって状況判断して行動しているが、何らかの要因によって長期間ネットワークから遮断されて続けており、最新のデータを参照できない状態が続いている。
それによって常識的な判断ができなくなっており、擬似相関から「ニコラス・ケイジが映画に出るとプールの溺死者数が増える」といったようなトンチンカンな答えを導き出してしまう。3人の中でも年長者のアロンが特に顕著ということだ。

謎の破壊兵器

町を破壊しようと迫る謎の破壊兵器

http://gashapon.jp/kansou_syouzyo/story/

公式設定から読み取れるのはこの一文だけであり、敵の存在は明らかにされていない。




③さまざまな疑問点

ここから先は、あくまで私の二次創作のために独自解釈を積み重ねた結果であり、異論反論あればぜひコメントをお寄せ頂きたい。

人工島はどこにあるのか?

ストーリーの冒頭に「48番目の都道府県として期待されていた人工島」とあるように、人工島は日本の内水領海基線より内側の水域)のどこかにある。人工島は国際海洋法上、島とは見なされず、それ自体の領海を持たない。
海上保安庁のサイトから地図を引用しよう。人工島は水色の接続水域の内側にある、黄色の領海のどこかにあるということになる。

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http://www1.kaiho.mlit.go.jp/JODC/ryokai/ryokai.html

竹島尖閣諸島などの領土問題を考えると日本海東シナ海は避けたいところだ。


次に注目すべき点は「発電植物」である。
前節で解説したように、発電植物は換装少女と換装重機のエネルギー源であり、これがなくては『換装少女』の世界観が成り立たない。発電植物の発電が光合成と同じであるならば、保存は利かないものと考えられ、また蓄電についても可能かどうか不明なため、ここでは発電植物を年中栽培し続ける必要性があると考えるべきだろう。
そうなると北海道や東北、北陸地方などの積雪地域に人工島を造ることは出来ず、おのずと対象地域は冬でも温暖な瀬戸内海や太平洋側に絞られることになる。


しかしここで重大な懸念がある。南海トラフ巨大地震だ。
南海トラフ巨大地震の想定津波高は高知県黒潮町の34.4mが最高で、太平洋側であればおよそ20mの津波に耐えられる護岸や防波堤が必要になる。
切り立った高い護岸の上に町があるとしたら、確かにポートアイランドよりも軍艦島端島)の方がイメージに近いことになる。
その場合、ビーチで水遊びといったシチュエーションが困難になるばかりか、桟橋の建設も難しく船での上陸は困難が予想される。空港や海底トンネルなどが備わってなければ、移住者が島を訪れるのは難しそうだ。


なお、古参オタクとしては人工島で重機とくれば『機動警察パトレイバー The Movie』の方舟を思い浮かべてしまうところだが、東京湾に人工島を造ってもそれは東京都の管轄になってしまい「48番目の都道府県」にはなり得ないだろうということで、本稿では除外している。

人工島の大きさは?

「48番目の都道府県として期待されていた人工島」ということは、かなり巨大な人工島なのではないだろうか。
2017年10月1日現在、鳥取県の人口は565,233人で日本一少ないが、これに近い人口で面積が狭い都市としては、

  • 千葉県市川市(人口489,696人、面積57.45km²、人口密度8,524人/km²)
  • 埼玉県川口市(人口584,825人、面積61.95km²、人口密度9,440人/km²)
  • 千葉県船橋市(人口631,973人、面積85.62km²、人口密度7,381人/km²)

などが挙げられる。
この3都市に近い面積の島としては、

  • 三宅島(面積55.44km²)
  • 八丈島(面積72.62km²、山手線の内側とほぼ同じ)

が挙げられる。人工島は平坦な三宅島か八丈島のようなイメージだろうか?
ちなみに1960年当時の軍艦島は人口5,267人、面積0.063km²、人口密度は83600人/km²であり、イメージとしては軍艦島でもこの人口密度では「人にとって住みよい町」にはならないだろう。

なぜ人工島なのか?

『換装少女』の世界観で最大の疑問点は、人工島である必要性だ。
発電植物、換装重機、換装少女…なぜこれほど有用なものが、無人の人工島に押し込まれなければならなかったのだろうか?


そこで中山間地域活性化のために開発された換装重機と換装少女だったが、その資源となる発電植物には侵略的外来種と同様の問題があり、人工島への投入に計画変更されたという裏話があった」という仮説を立てた。
つまり発電植物の生態系への影響を回避するため、ガラパゴス化する必要性があったということだ。


この仮説にはいくつかの問題点がある。

  • 人工島であっても、中山間地域であっても、発電植物の生態系への影響は避けられない。なぜなら、鳥や昆虫などによって種子が他地域に持ち出される可能性を否定できないからだ。
  • 人工知能による都市開発の運用試験であることを考えると、AIをいきなり人間社会に送り込むことには懐疑的である。
  • 全国的に山間部には降雪・積雪のおそれがあり、発電植物の生育条件として不十分。発電植物の生育条件という点では、砂漠などの過酷な環境への投入も否定される。


人工知能による都市開発の運用試験は、人間社会からの知見ではなく、あくまでビッグデータ分析に基づくものでなければ意味がないため、最初から人間社会とは隔離された人工島である必要があったのだ。