旧萌尽狼グ

同人音楽サークルkaguyadepth代表、萌尽狼(もえつきろ)の個人ブログ ※更新終了

同人誌『玩具(カプセルトイ)ができるまで「換装少女編」/倉持図鑑』について

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バンダイカプセルトイ『換装少女』開発スタッフのデザイン・企画を担当された倉持キョーリュー氏が、バンダイから許可を得て発行した開発顛末記が同人誌として冬コミで発売され、現在書店委託および電子版を入手することができます。同氏いわく初回委託分が好調で再販をかけたとのことです。*1


『換装少女』ファンならマストバイなアイテムというわけではなく、同氏も販促用に作ったのに予想以上に反響が大きくて驚いていると言うように、本来はおもちゃ業界に興味がある人達に向けた教科書的なものです。私も小学生の頃はおもちゃ業界に入りたいと思ったことがありますから興味深く拝読させていただきましたが、本稿ではあくまで換装少女の後追いファンの視点で思ったことを書き連ねたいと思います。


まず、『換装少女』の開発進捗については、この同人誌がはじめて世に出たものではなく、発売前から倉持キョーリュー氏がたびたびツイートされていたようです。その様子をT翼氏がモーメントにまとめています。
twitter.com


ツイートにしか書いてない、または同人誌にしか書いてないこともあります。同人誌の方では仮タイトルがモザイク処理されていますが、ツイートではそのまま画像が出ているなど差異もあり、大人の事情が垣間見えます。ツイートを先に見た人には同人誌が、同人誌を先に見た人にはツイートが、それぞれ読んだだけではわからなかった部分の答え合わせのような関係になっているように思えました。ですので、既に同人誌を読んだ人でも倉持キョーリュー氏の過去ツイートを知らない人は、このモーメントをチェックする価値はあるといえるでしょう。


プレミアムバンダイで新たに七六氏が換装少女のデザインに加わることになりました。おもちゃの経験がないデザイナーが加わったことで、それにまつわるぼやきも見られますが、ガシャポンガンプラではかなり理屈が異なり、またプラモデルはプラスチックカスの吸飲の恐れから対象年齢15歳以上になっているけども、ガシャポンという商品の性質上誤飲対策も考えなければならないなど、同じプラモデルといってもできないことが多いのだということが、なんとなくわかる内容になっています。


ラフスケッチ→3Dモデリング3Dプリンタ出力で試作という流れで試行錯誤が繰り返されていますが、いきなり爆発図面(この専門用語はこの本で初めて知りました)から描き始めているというのも、これが特殊スキルであることを物語っています。まあ、太もものダボをもうちょっと長くしてほしいんですが、そこら辺は試作段階で見抜けなかったのかな?とか不満もあるわけですがw


換装少女のファンブックして見た場合は、どのような経緯で現在のデザインに至ったかに注目が集まりますが、公式サイトを含めた換装少女・換装重機という固まった世界観から前後を見ると、まるでフレームアームズのような骨格素体にアーマーを装着する可動ロボットだった初期デザインや、動物や昆虫を模したメカと少女が合体する次弾デザイン(ツイートでは換装重機ならぬ『換装獣機』という名前だったとある)はかなり異質なものに見えることでしょう。私もかなりこの辺に戸惑いました。ツイートではボツと書かれていますが、同人誌では明記されていないため、この方向で行くものと誤解されても仕方ないと思います。


(換装少女発売後にロボット型出したら買う?というアンケートをしてるのを見ているので、やっぱり可動素体にしておけばよかったみたいな未練が見え隠れするのも、この同人誌を読む上ではよくない情報だと思います)


バイクロボに関しては期待の声も多いですが、公表されているデザインは確かにかっこいいけど、換装少女の世界観には合ってないかな?というのが正直な感想です。人工島の大きさがわからないので、いろいろ調べて「48番目の都道府県というくらいだから人口50万人以上だろうし、人口密度が過密すぎても暮らしにくいから結構広い島なんだろう」と思って、じゃあ移動手段も必要だよねバイクも欲しいよね、と納得することにしましたが、わりと作り手側がこのキャラクターの世界をどういう方向で広げていきたいのかが見えてこない不安というのがこの同人誌にはあるので、私みたいに深読みする人は気をつけたほうがいいでしょうね。


最後に同人誌の入手先をまとめます。結構選択肢が広いので、好きな店で買えばいいと思うよ!

*1:換装少女の二次創作ガイドラインでは同人誌の書店委託は不可。本誌は許可を得た特例なので注意。通販サイトによっては「ジャンル:換装少女」になっているところもあり、いやそのジャンル他に作品増えないと思うけど…とモヤッとする。