【おすすめ】制服嗜好／上月さつき

制服嗜好

書店で目に留まった。別にお絵描きの参考書を探していたわけではなかった。
裏表紙に描かれたローファーのうんちくに、この本のすごさが凝縮されていて、これは買わずにはいられないという衝撃が走った。
とにかくわからないことだらけの制服。男の子には未知の世界。細かいディティールもわからないまま、毎回手探りで描いている。
そんな経験をお持ちの方も多いはず。この本はそんな方にうってつけのマンガつきイラストブックだ。
女性作家らしいスッキリとした線の6頭身のイラストは、ポーズ集の写真よりもとっつきやすく実際に描くときに実用性が高い。
春夏秋冬の着こなしやバリエーションは、学年と部活動が設定された20人の少女の立ち絵でわかりやすくまとめられている。
本書はおもにセーラー、ブレザー、スカートなどの多くのページが割かれており、襟の種類やスカートのプリーツなどが詳しい。
ポロシャツやストッキングにいたっては生地の織り方による伸縮性にまで言及していて、筆者のこだわりを感じる。
ネクタイの結び方なんかは忘れてしまっている人もいると思うので大変ありがたい…（仕事でスーツを着ない人）
ただ、ジャンスカ*1は2ページしかないのが残念。そこがもうただただ残念。*2
元はCOMITIAで発行された同人誌らしく、その筋の人には知られたものかもしれないが、こうして書籍化してくれたことに感謝したい。
内容とはあまり関係ないが、表紙カバーを外すとグレーのボール紙になっているのが珍しいかな？　服を買ってくると間に挟まっているあのボール紙です。

*1:ジャンパースカートの略。

*2:すっかりIKa先生に毒されてしまっている。