『禁重音狂奏曲』の不条理世界について
ストーリーがあるものに音を付ける場合は、まずストーリーを読み込むことになる。
今回、モノフォニック・チップチューンという題材を選んだが、そもそも3音で曲を作らなければならないチップチューナーで、なぜ1音で曲を作るなんて苦行をしなければならないのか? という問いに、明快な答えを出すべく考えたストーリーであったはずが、逆に混乱を与えてしまった気がしなくもない(特に作者自身が)。
作曲する人にとっては、たった1音でなんとかするというのは究極の問いであるのだが、一般の人には伝わりにくのではないかと思って音が1音しか聞こえない不条理世界というものを思いついた。しかしそれは不条理であるがゆえに、考えれば考えるほど厄介なものであることに、リリースしてから気がつくことになってしまったのであった。
なお、以下の考察はあくまで作者本人が自分を納得させるためにまとめたものであり、ストーリーの解釈や募集楽曲の曲想を縛るものではありません。
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