萌尽狼グ

音系同人サークルASIA LUNAR代表、萌尽狼(もえつきろ)の個人ブログ

僕が語れるゲーム音楽史(その2)ツインビー・前編

コナミゲーム音楽史としてツインビーシリーズを取り上げる。ビートマニアシリーズ以前のコナミツインビーのメディアミックス展開から俯瞰する。
前編ではコナミ矩形波倶楽部フュージョン黄金期から、後のときめきメモリアルのメディアミックス展開へとつながるウィンビー国民的アイドル化計画までをまとめた。
後編ではツインビーPARADISE以降をまとめる予定。

ツインビー(アーケード/1985年)

ツインビーは、コナミが発売した、腕の生えた丸型の青い機体を操り、食べ物を模した敵キャラクターを倒していく、コミカルな縦スクロールシューティングゲーム
空中敵にはショット、地上敵には爆弾を撃ち分ける、ナムコの『ゼビウス』に類似したゲームシステムでありながら、雲を撃つと出現するベルにショットを当てると、ベルの色が変化し、ベルの色によって分身が付いたりバリアを張ったりいろいろなパワーアップをするのが特徴。
また、敵弾に当たっただけではミスとならず、腕が片方なくなり、前方から飛んできた救急車に重なると腕が復活するという仕掛けも面白い。
2人同時プレイが可能で、2プレイヤーはウィンビーというピンク色の機体を操る。見た目に反して、難易度はやや高め。

アーケード版は後にグラディウスも動く「バブルシステム」というマザーボードで発売され、後のSCCとなる波形メモリ音源を搭載。
また、ボイスチップでバブルシステム起動時にカウントダウンしたり、ゲーム中に「ステージ1」などとちょっとだけしゃべるという特徴もあった。
合成音声でしゃべるゲームと言えば、ナムコの『ボスコニアン』が初だが、当時としてはまだめずらしいことだった。

BGMは、浮遊感はあるものの落ち着いた雰囲気のメインテーマと、ベル取得時のパワーアップBGMに分かれ、パワーアップ時にミスするとまたメインテーマに戻る。ステージが進んでもメインテーマは変わらないといった特徴がある。

ツインビー3 ポコポコ大魔王(ファミコン/1989年)

ツインビーはコミカルなキャラクターで人気を博したが、特にアーケード版から大幅に難易度を下げたファミコン版でヒットし、次々と続編が発売された。
2作目はディスクシステムで発売され、横スクロールステージがあり、ジョイカードなどの連射パッドをつなぐことで3人同時プレイが可能になった『もえろツインビー』(1986年)。
1987~88年はコナミファミコンのサンプリング音源(DPCM)を積極的に活用し始めた時期で、『魂斗羅』や『エキサイティングサッカー』などパンチの効いたドラムがコナミサウンドの特徴になる。
ツインビー3』はサブタイトル通りポコポコしたラテンパーカッションの音が特徴的で、メインテーマ・パワーアップBGMはステージによって変化するようになり、楽曲構成的にも変化が見られた作品。
ゲーム内容はよりギャグテイストが強まったことに合わせ、BGMもファンキーなロックンロールだったりとにかくノリがいい。
また、メインテーマは初代・もえろのメロディーの雰囲気を受け継いだ「Tiny Boy」という曲で、コナミ矩形波倶楽部のライブでは定番のナンバーとなった。

出たな!!ツインビー(アーケード/1991年)

ツインビーのキャラクターデザインをアニメーターのShuzilow.HA氏が手がけるようになり、本作以降ツインビーといえばパステルカラーというビジュアルイメージが定着する。
特に、2ステージクリア時にウィンビーパイロットのかわいい女の子(この頃はまだ名前がない)が画面に表示されるようになり、ゲーマーの間に衝撃が走った。

アーケードゲームの美少女キャラクターといえばやはりナムコが先行していたのだが、Shuzilow.HA氏が描くキャラクターのかわいさはその中でも群を抜いていた、というかパロディウスのような砕けたイメージもあるが比較的硬派なゲームが多かったコナミからそういうものが飛び出してきたこと自体が新鮮で驚きだった。
サウンド面ではグラディウスIII・パロディウスだ!を経て、丸みを帯びた音色で豊かに歌い上げるFM音源と、音抜けのいいシンセタムが特徴的なPCMドラムという、コナミFM+PCM期の円熟したサウンドにさらに透明感が加わり、いっそう磨きがかかった。
ジャンルもフュージョンあり、壮大なシンフォニーありで、ステージをドラマチックに盛り上げる。3ステージの「天空の要塞ラピュタ」という曲名の身も蓋もなさが、逆に本作のビジュアル・サウンドイメージを象徴していると言えるだろう。

『出たな!!ツインビー』はPCエンジンX68000というパソコンに移植され、X68000ではRolandMIDI音源に対応、MIDI音源で鳴らすとアーケード版を超えるサウンドになることが話題になった。ただ、当時はX68000MIDI音源を買い揃えられる人は少なかったため、ファン救済策として『MIDI POWER』という全曲アレンジのサントラCDが発売され、ゲームミュージックファンの注目を集めた。

Pop'nツインビースーパーファミコン/1993年)

もとは『出たな!!ツインビー』のスーパーファミコン移植版として企画されていたが、途中からスーパーファミコンオリジナルの続編となった。
乱心したDr.マードックの孫娘として新たに美少女キャラクター「マドカ」が登場し、サントラCDでは声を当時人気急上昇中の声優、國府田マリ子が担当、1ステージのボーカルアレンジバージョン「Twin memories」が収録されたことで話題となった。
スーパーファミコンはフルサンプリング音源で、ソフトの容量的な都合もあり、発売当初は使いこなすのが難しかったが、1993年頃になると各社大変クオリティの高いサウンドを鳴らすようになってくる。
『Pop'nツインビー』も例に漏れず、『出たな!!ツインビー』のポップさにコナミ矩形波倶楽部フュージョンがマッチした楽しいサウンドに仕上がっている。
ファミコン版と比べると方向性がガラッと変わってしまったかのような印象を受けるが、ラストバトルまで進むとノリノリのロックンロールとなり、コナミの家庭用らしさもうかがえる。

ウィンビー国民的アイドル化計画

『出たな!!ツインビー』で一躍注目されたウィンビーのパイロットのかわいい女の子(名前はまだない)をバーチャルアイドルとして盛り上げようという企画がスタートし、コナミは実行委員会メンバーを募集した。
この展開から文化放送でステレオドラマ『ツインビーPARADISE』の放送が開始されることとなる。
会報誌『どんぶり島通信』で実行委員会メンバーの活動やゲーム・CDのリリース情報を伝え、ウィンビーというキャラクターの魅力やツインビーのシリーズ展開についてアピール。
メンバー募集は定員オーバーで一度打ち切られたものの、『ツインビーPARADISE』放送開始後に参加希望者が続出し、実行委員会とは別に応援隊が追加募集されるに至るも、ボーカルCD『しあわせの楽園』の発売をもって解散となった。
以降のファン活動は実質的に『ツインビーPARADISE』の「Beeメイツ」へと受け継がれていくことになる。
関連CDとしては、矩形波倶楽部の古川もとあきや光田健一を中心にコナミゲーム音楽(主にエンディングテーマ)を映画音楽風にピアノアレンジした『ウィンビーのネオ・シネマ倶楽部』などがある。
なお、『どんぶり島通信』は書籍『どんぶり島大全』に再録されている。

(つづきが書けなかったのでメモを貼っておきます)
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