旧萌尽狼グ

同人音楽サークルkaguyadepth代表、萌尽狼(もえつきろ)の個人ブログ ※更新終了

滝川市の隣接自治体へ午後から路線バスの旅(新十津川町・雨竜町・赤平市)

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年末年始から滝川市を舞台とした一次創作を再開し、設定を練る中で本編に直接関係はないが、滝川市の隣接自治体についての説明が必要になった。
隣町のことは意外とよくわからないものである。特に新十津川町は、何が特徴かネットで調べてもいまいちピンとこなかった。これは実際に行って目で見て歩いて確かめたほうが理解が早いと思った。
『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』に感化されたというのもあるが、実家に引っ越して2ヶ月間ほとんど市外に出てなかったので、そろそろ一人旅がしたかったのだ。


1/8 新十津川町

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新十津川町滝川市の西部に隣接する自治体である。奈良県十津川村の大水害被災民が入植したことで有名なのだが、それ以外のことがイマイチよくわからない。
滝川からだと、国道12号線の裏道として、札幌まで石狩当別の方を抜けて行く国道275号線で、まず最初に通過する町という印象が強い。ちなみに冬季は地吹雪による事故が多発する危険な道だ。
中央バスは3路線(滝川浦臼線、ふるさと公園線、滝新線)あり、今回は啓南団地を経由し、国道451号線滝新バイパス(滝新橋)を通る滝新線で新十津川役場前まで行った。

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新十津川町役場で下車すると、目の前に観光マップがある。しかしこれは広域すぎてあまり参考にならなかった。とりあえず周囲を散策。
町役場の隣にゆめりあホールがあり成人式が行われていた。正直、うちからだと滝川市文化センターよりもゆめりあホールの方がバスで行きやすい。
ゆめりあホールの前に北中央公園があり、1/29開催のしんとつかわ雪まつりに向けて雪のステージ造成が行われていた。

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北中央公園の向かいにあるのが物産館と書かれた謎のクジラの建物。空知でクジラといえば、陸上でクジラを養殖する計画があった奈井江町が思い浮かぶのだが、なぜ新十津川にクジラが?
その秘密は建物内部にあった。吹き抜けの天井から宙吊りになったクジラの全身骨格! この物産館は新十津川で発掘されたクジラの化石を展示する施設を兼ねていたのだ。
入館料取る滝川の美術自然史館とはえらい違いだなー。それにしても新十津川グレートシングがあったとは…こんな辺境にまでベルサー軍の魔の手が…

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JR新十津川はとても今も営業してる駅とは思えない外観で、車止めもなく途中で寸断されてしまっているレールが奇妙。
駅舎には東京から来て稚内からカブで各駅を巡って写真を撮ってるという男性が1人いて、少し立ち話。
1日1往復になってから急に注目されるようになったが、1日1往復では使い物にならない。ただ町役場から目と鼻の先にあって、そりゃ地元は廃止に反対するだろうなあ…

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この日は帰りに滝川西高校の方も撮影したかったので、金滴酒造まで徒歩で移動。そんなに遠くは感じなかった。
金滴酒造は物産館で酒粕おかきを買ったのでスルーしたが、ここは何年経っても変わらない。
ただ新十津川の酒造メーカーというよりは、砂川で酒米作ったりしてるので、空知の酒造メーカーという印象が年々強くなっている。


1/9 雨竜町

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雨竜町滝川市の北西に隣接する自治体である。昨日行った新十津川町とも隣接している、石狩川流域の農業の町だ。
雨竜町にはかつて札沼線が通っていたが、私が生まれる前の1972年に廃止されていて、以後公共交通機関は路線バスしかない。
このバスも平成に入り中央バスから分社化されて空知中央バスとなった。中央バスウェブサイトの路線図に空知中央バスが載ってないなど若干の不便がある。

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空知中央バス深川市立病院行きには、道の駅ライスランドふかがわがある音江を経由する路線と、雨竜を経由する路線がある。
母方の祖母が深川に住んでいたこともあり、幼少期はよくバスで深川に行っていたが、その頃は所要時間が短い音江経由に乗ることが多かった。
しかし現在、音江経由は土日祝の運休が多いため、雨竜経由を中心に運行されているといえる。音江町は寂れてしまったから仕方ないが。

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昨日は快晴だったがこの日はくもりで午後から雪予報だった。案の定、雨竜のバス停で下車したあたりから雪が降り始めた。
昨日の新十津川町役場と比べて雨竜はただのバス停で、いきなり手厳しい印象。マズった来なきゃよかった感がひしひしと。
しかもグーグルマップの情報量が少なく、雨竜町役場を目指すもいきなり道を間違えて、来た道を戻ってしまう始末。

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とはいえ交差点のあたりをウロウロすることで、観光マップの看板が見つかって、見るべきところの目星はついた。
札沼線雨竜駅跡を観た後に道の駅田園の里うりゅうまで行くとして、まずは雨竜町役場の方を歩いてみるというルートである。
雨竜町は東西に長い町で市街地は東部にありそのほとんどは山間部である。雨竜沼湿原には遠くて行けないが、雨竜ハイヤーの壁画は美しい。

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ふれあいセンターに入ってみるも何もない。しかし入口の少年アシベのポップが気になる。
雨竜町役場新十津川町同様に役場の建物に消防署がくっついている。新十津川町とくらべるといかにも町役場って感じの建物だ。
町役場の向かい側にメモリアルパークがあり、芸術的なデザインの時計とステージがある。町のコンパクトさも新十津川町と似た印象だ。

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雨竜町の食料品店は、セイコーマートいけだ雨竜店、エーコープうりゅう店、食彩まこと屋がある。
また雨竜駅跡から国道に直進し突き当たったところに、老舗の安田旅館がある。
そして肝心の雨竜駅跡はとても小さな石碑で、半分雪に埋もれていたので掘り出して撮影した。今年は(この時点ではまだ)雪が少なくてよかった。

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雨竜市街から道の駅田園の里うりゅうまでは約2km。車だとすぐだが徒歩には結構堪える距離だ。冷えてきたし。
途中、新雨竜第一病院、雨竜高等養護学校、雨竜小中学校などがあり、見えてきたのは道の駅の目印となるライスコンビナート。ラスボス感がある。
暑寒の塔と書いて「ダームの塔」と読むのだな、と思った。

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次のバスまで時間があるので、道の駅田園の里うりゅうには長く滞在することになった。雨竜沼の写真や書家辻井京雲のギャラリーがあって暇は潰せた。
この道の駅に来たら外せないのは鈴木かまぼこ店。あいにく名物の雨竜米揚とやさい揚は売り切れだったが、揚げたての天ぷらは格別にうまい。
それにしても連休最終日だというのに全く人がいない。冬季は16時までの営業ということもあるのだろう。閉館後は駐車場を素通りする車も見受けられた。


1/13 赤平市

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赤平は父が新車ディーラーに勤めてた頃の営業エリアだったし、富良野観光の通り道だったので、なんとなくは知ってたが立ち寄ったことはなかった。
この日は最強寒波到来で雪予報のわりに晴れていた。もともとツタヤまで用事があって、ちょうどバスが来たので赤平まで行ってみた。
昨朝は大雪で視界は完全にホワイトアウトし、雪をかき分けて歩いたので用心して長靴で出てきたが、街路はきれいに除雪された後で、ただ足が疲れただけだった。

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赤平市滝川市の東部に隣接する自治体である。空知川の上流に位置し、蛇行する空知川に沿って町が形成されている。
国道38号線の赤平バイパスは、滝川のそれと違い、幌岡から茂尻まで市街地を完全にすっ飛ばしてしまう。
中央バス滝芦線はバイパスを通らず市街地に入る。多くの乗客がいたが、赤平駅前で下車したのは私一人だった。

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赤平駅は交流センターみらいという西洋の城のような巨大な建物になっているが、実質的に無人駅だ。
2016年春から窓口業務は赤平市に委託され、自動券売機もないので、切符や定期券は営業時間内に買わなくてはならない。
14時半になり、目の前で窓口が閉められる。赤平~滝川間の運賃はバスに比べてJRの方が半額くらい安いが、本数も少ないしこれでは不便だ。

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赤平駅で観光ガイドを探してみたが見当たらない。こんなに観光スポットっぽい外見なのに、完全に市民のためのハコモノなのだ。
赤平フットパスというイベントが行われているようだが、得られた情報はそれくらいで、どこから見て回っていいのかさっぱり見当がつかない。
今回はグーグルマップとカンだけを頼りに、マックスバリュまで行くのはキツそうなので、まずは赤歌警察署の方まで歩いてみることにした。

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町の寂れ方はどこも似たようなものだが、パチンコ屋の隣が北門信用金庫だったりするので、なんとなく人の往来がある感じはした。
昭和の街並みがそのまま残っている場所が多く、林商店の「お買物は赤平で」と書かれたシャッターが郷愁を誘う。
また長谷川歯科医院は海底鬼岩城のようなイカツさでとても歯医者とは思えない。元はもっと大きな病院だったのだろうか?

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旧山田御殿のあたりまで来ると建物の隙間から炭鉱の建物がチラチラ見えるので、踏切を渡って近付いてみた。
旧住友赤平炭鉱立坑跡はすっかり雪に閉ざされていたが、ピンク色の建物は今も事務所として使われているのか人の出入りがあった。
市立病院からやすらい通りを抜けて市役所を見てみたが、ここにも観光ガイドは見当たらず肩透かし。

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駅前の日高屋製菓でどら焼きを買って一休みした後、日没せまる中、帰りはバス路線に沿って徳川城を目指した。
赤平駅に展示されていた炭礦飴は現在は作っていないのか、石川商店の塊炭飴が売られていた。滝川でも買えるがせっかくなので購入。
途中、巨大な鳥居の赤平神社があり、空知川に架かる赤平橋があり、バスから見えた赤平中学校があったが、その先はずっと団地のある坂道が続く。

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徳川城は日本人形メーカーが建てた城だが倒産し現在は廃墟。町のシンボルが廃墟という点で滝川と似てるが、赤平は閉山という歴史的背景が重すぎる。
徳川城の手前で芦別行きのバスとすれ違ったのでもうすぐ滝川行きのバスが来るはずなのだがエルム高原入口のバス停が見当たらない。
国道38号線を進むも歩道の除雪が途切れバスは迫ってきてて万事休す。しかしバスは停車。除雪がちょうどバス停までだったのだ。

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無事予定していたバスに乗って帰ってこれたが、市内観光という点ではちょっと厳しかった。写真の撮影枚数もこの3日間で一番少なかった。
おそらく赤平市の観光はエルム高原リゾートに集約されているので、市中心部の観光には全く力を入れていないのだろう。
ともあれ、炭鉱ってもっと山奥のイメージがあったので、駅から意外と近かったというのは、改めて自分の足で歩いてみてわかったことだろうか。