旧萌尽狼グ

同人音楽サークルkaguyadepth代表、萌尽狼(もえつきろ)の個人ブログ ※更新終了

『みこたん』について

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http://asialunar.info/mikotank.html
北海道時川市を舞台とした巫女と炭人(たんじん)の異能力バトルアクション。

伊鶴が下校途中、震度5強の地震が発生。余震が続く不安な夜、時川神社にクロという少女が迷い込む。
捜しに来た自衛官を見てひどくおびえるクロ。彼女に一体何があったのか? 彼女の正体とは…!?

みこたんはウェブサイトが作品そのものであるということ

本日公開となった『みこたん』は、旧ASIA LUNAR活動開始のきっかけとなった未完結作品のリメイクというかリビルドとなる。
旧『みこたん』の正式タイトルは『みこたん~巫女と戦車と滝川と~』で、2002年春からPBeMサイトとしてテスト運営が開始された。
北海道滝川市を舞台に、戦車に乗った巫女さんがバトルするという内容だったが、テストプレイに決着が付かず終了。
ウェブサイトは更新を重ねながら北海道滝川市の情報サイトと、鬼と戦う巫女さんの話の二本立てに移行し、再度ゲーム化を目指しつつフェードアウトし、その過程でイメージ曲をFMPSGなどで発表したにとどまっていた。

本作、新『みこたん』は北海道滝川市を舞台とした鬼と戦う巫女さんの話という大枠と主要キャラのみを引き継いだが、戦車は今のところ出て来る予定がなく、細かな点において全く別モノと言っていいので、旧『みこたん』を知らなくても問題ない。

私はこれまでの同人活動でもそうだったが、ウェブサイトを思考ツールとしてウェブサイトをこねくり回しながら作品を構築していくクセがあり、『みこたん』はその最たるものであった。
『みこたん』といえばウェブサイト上に再現された街であり、そこは旧作の特徴を色濃く反映したものとなっている。

また、ネタバレが嫌な人には申し訳ないのだが、『シン・ゴジラ』よろしくネタバレ注意と断って設定を別のところにまとめてしまうと、公開できる設定と公開したくない設定の線引ができなくなって混乱するので全てオープンにすることにした。
なので、まだストーリー本編に反映されてない設定が散見されることについてはご容赦願いたい。


工場萌えと艦これの先にあるもの

新旧ともに『みこたん』で軸となっているのが人造石油(人石)だ。戦時中、ドイツで実用化された石炭液化技術を輸入し、北海道滝川市と福岡県大牟田市に工場を建設して石炭から石油を造ろうとしたが、機械を動かすにも石炭が必要で効率が悪く、また触媒が日本では希少だったため目標を大きく下回る生産量で終戦を迎え、造らなかったほうがよかったのではと言われるほどのものだ。

現在跡地は滝川駐屯地なってしまい見る影もないが、当時は東洋一の化学工場と呼ばれ、使用された鋼材と工場の大きさは戦艦大和に匹敵する規模となれば、なぜこれを題材にしないのかが不思議なくらいである。

確かに戦前~戦後の工場は公害事件と切っても切れない関係にあり、題材として難しいのかもしれないが、工場そのものにスポットを当てた作品というのは、もっと出てきてもよいのではないだろうか?


北海道の地名はひとついじるとひとつじゃ済まなくなる

旧『みこたん』では滝川市だったが、新『みこたん』では時川市と架空の地名に変更した。滝川(Takikawa)と時川(Tokikawa)でスペルが1文字違いというのがミソなのだが、問題は滝川の語源にあった。
滝川は「ソー・ラプチ・ペツ」(アイヌ語で滝のかかる川)を意訳したものなので、滝川が時川になると、「ソー・ラプチ・ペツ」を音訳した空知も変えなくてはならないというかこの世に存在してはいけなくなってしまうのだ。
時はアイヌ語でエシリなので、空知(そらち)は江知(えしり)に変更となり、空知英秋は江知英秋になってしまった。
漢字では一文字違いで済んだが、語感はだいぶ違った感じだ。

というように、アイヌ語としてはかなりデタラメではあるものの、きちんと語源にしたがって架空の地名を考えた北海道が舞台の作品というのはそう多くはないはずで、特に美少女モノでは雰囲気で北海道っぽい地名を捏造してる感じなので、これもオリジナリティがある取り組みなのではないかと思う。

柿崎俊道氏が聖地巡礼という著書を出すより前から舞台となる街を掘り下げる形で作品作りを進めてきた作品だけに、『ガルパン』には戦車も街も『みこたん』でやりたかったことは全てやられてしまったと思った。それで諦めかけていた時期もあったのだが、ASIA LUNAR10周年として未完結のまま終わらせていいのか? と一念発起して新『みこたん』が動き始めた次第である。


つくづくジンキっぽいなって思う

巫女さんと鬼っていうのはやっぱり上山道郎先生の『怪奇警察PSY-POLICE』の影響がいまだに強いのだと思うし、アリスソフトの『戦巫女』の影響も大きい。本作でエロをやるつもりはないけど、音楽的には『淫妖蟲』もハマりがいい。

時がテーマという点では、これも音楽が好きなケロQの『モエかん』の影響が大きいし、Keyの『planetarian』から受けたイメージが新キャラにつながってる部分もある。

ただ、人物相関図をいじってるとやっぱり『ジンキ』の影響がモロに出てるなと思う。力のために血の掛け合わせをやったりしてると、もうね。あと、肝心な設定をちゃんと説明しないところなんか綱島志朗先生そっくりだ(笑)

今まで私の作品には母親が出てこなかった。旧『みこたん』でも邦衛・邦作の設定だけで母親不在だったから、これは大きな変化だと言っていい。母親にいろいろな裏事情を盛り込むことで、旧作でどうしても解決できなかった諸々に決着が付いて、当初は出て来る予定がなかった旧『みこたん』の主人公姉妹も途中から合流する運びとなったので、母親ってのがかなりキーになってるかな。


あくまで最終的には音楽を作るのが目標

「世間はそれを小説を書くと呼ぶんだぜ」

あらすじにしろ、キャラクター設定にしろ、小説だと言えば小説なのですが。
あくまで現時点で頭のなかにあるものを、まずは全て書き出してしまうためにウェブサイトを作っていますが、最終的には出来上がった話をもとに、音楽をつけていくのが本作の到達目標ということになります。
なのでまずは本編を行けるところまで書く。ということになりましょうか。
いちおうアニメのように全12話くらいで決着が付くといいなと思ってはいるのですが。どうなることやら。



といった感じで作っていますので、よろしくお願いします。